行政書士が解説!どんな場面で遺言書が必要か
2023/10/23
遺言書とは、自分自身の死後に残された財産に関する希望や意向を文書にまとめたものです。遺言を残すかどうかは本人の自由な意思に基づきます。ではどんな場面で遺言書が必要となるのでしょうか?そこで、今回は遺言書が必要な場合について、いくつかのケースを行政書士が紹介します。
目次
ケース1:前婚・後婚どちらにも子供がいる
遺言書は、亡くなった後に残したい遺言を整理するための重要な文書です。遺言がある場合は、それに基づいて相続人や財産の分配をすることができます。婚姻関係に大きな変更があった場合、遺言書を作成しておくとよいでしょう。たとえば、被相続人が離婚している状況で、先妻との間に子がいる場合その子と後妻とその子供が相続人となります。被相続人の相続についてお互い話し合いをしても、感情が入ると話がまとまらないケースも少なくありません。そのため、生前に遺言書を残して、お互いに相続させる財産を明確にしておくとスムーズです。
ケース2:子がおらず両親や祖父母が他界している
夫婦のどちらかが亡くなって相続が発生したとき、両親・祖父母が他界している状況の場合、被相続人の配偶者、兄弟姉妹が法定相続人となります。配偶者へ全て財産を相続させたい場合は、被相続人の兄弟姉妹は遺留分がないので、遺言書を残しておけば、相続財産を自身の配偶者へすべて相続させることが可能です。
ケース3:相続人以外に遺贈をする場合
遺言書には、相続人以外に遺贈する場合に有効です。長年夫婦として同居をしている場合でも、婚姻届を出していないときは内縁関係となり、お互い相続する権利を有しません。そのようなことから、自身が亡くなったときに、同居している内縁配偶者へ財産を残してあげたいときは、遺言書を作成しておく必要があります。また、相続人以外で世話をしてもらったなど関係性が深い間柄で財産を残したいような場合、遺留分を考慮し遺贈の理由なども明記したうえで遺言により分配することも可能です。
ケース4:相続人がいない場合
相続人がいない場合、遺言書を残すことで献身的な友人や知人に贈与することができます。またご自身が寄付したい団体に寄付するという方法もあります。 もし、遺言を残さないで本人が亡くなった場合、相続人不存在という形になります。この場合、相続財産管理人が選任されて、その人が本人の相続財産を管理、清算をしたうえで最終的に国庫へ帰属します。以上、行政書士が解説するどんな場面で遺言書が必要かをご紹介しました。これらはほんの一部です。いろいろなケースがありますが遺言書を作成することで、円満な相続ができるだけでなく、財産分配に不公平が生じることも避けることができます。遺言書作成についてのご相談は、専門家に相談することをおすすめします。