難病支援!特定疾患医療費給付制度について詳しく解説
2023/09/29
近年、先天性の障害や難病に苦しむ方々への支援がますます求められている中、特定疾患医療費助成制度が注目を集めています。この制度は、特定疾患に該当する方々が必要とする医療費を国が一部負担するもので、病気の治療に大きな助けとなります。本記事では、特定疾患医療費助成制度の詳細について解説し、難病に苦しむ方々への支援をお届けします。
目次
対象となる難病の種類
医療の進歩により、難病の診断が増えてきました。一般的に、難病とは治し方が確立されていない稀な疾患のことを指しますが、明確な線引きはなく、厚生労働省によれば、特定疾患指定制度に基づく難病指定は、令和3年11月時点で338疾患あります。その病によって特定の基準が設定されているため、病によって発症率が異なる場合があります。 特定疾患に指定される難病には、筋ジストロフィー、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などが含まれます。これらはほんの一部です。これらの疾患は、一般に多様で複雑な症状を示し、治療法が存在しないか、限られた治療法しかない場合があります。
特定疾患医療費助成制度とは
特定疾患医療費助成制度とは、健康保険制度に基づく医療費の給付制度の一つで、先天性・難病などの特定疾患に係る診療に必要な医療費を補完的に給付する制度です。保険者に申請し、認定が下りた患者は、保険者から指定された医療機関での診療において、医療費の一部負担の減免などが受けられます。特定医療費受給者証の申請が必要となります。 この制度の基本的な対象疾患は、あらかじめ厚生労働省省令で定められたもので、特定疾病指定医により診断を経た者が対象となります。一方、給付割合や上限額、負担免除条件などは、各保険者が独自に定めていますので、事前に確認が必要となります。保険者は都道府県や指定都市によって異なりますのでこちらも確認が必要です。 特定疾患医療費助成制度は、適切な医療行為を受けるための経済的な支援を受けることができる制度です。そのため、利用を検討する際には、申請手続きや必要な書類、申請期間なども併せて確認し、適切な利用方法を見つけることが大切です。
特定医療費受給者証があるとできること
特定医療費受給者証の申請をして決定が出ると患者の所得によって医療費の負担上限が決まります。更新時の状況によって増額する場合や減額する場合もあるでしょう。受給者証は保険証と一緒に指定医療機関や薬局へ提示することで、指定難病に付随する治療については自己負担額管理票の記入がなされ毎月の負担額がわかるようになっています。そのほか、横浜市を例に挙げると、一部のタクシー事業者を利用することで割引があります(令和5年9月現在)。患者の医療費負担を減らすことで、病気と闘いながらも、財政的な負担に苦しめられることのない、より質の高い医療を受けられるようになることができます。また、医療費が安心して払えることで、患者はより治療に集中でき、回復の早期化も期待できます。
行政書士として出来ること
行政書士としては、特定疾患に指定された難病の特定医療費受給者証の申請や変更・更新手続きを担当することがあります。都道府県や指定都市、病気によって異なる適用要件や手続きがあるため、手続きの専門知識を持った行政書士のアドバイスは非常に役立ちます。難病患者の治療や暮らしを支援するため、行政書士として貢献していきたいものです。行政書士としては、特定医療費助成制度の詳細について、そして申請手続きについて、より多くの患者が制度を利用できるように情報提供を行っていく必要があります。また、申請に必要な書類の作成や提出についても、的確かつ迅速に対応することが求められています。 原因不明の病と付き合うことはただでさえ苦難を伴います。特定疾患を患う患者や家族の負担が軽減され、より安心して医療に専念できる状況が整ってきます。行政書士として、このような社会に貢献する仕事に携わることができることは、非常に重要な役割であると思っています。