離婚協議書の作成で行政書士が果たす役割とは?
2023/10/12
夫婦間で様々な問題が生じ離婚を決断したとき、調停や裁判をするほど話がこじれていない場合の協議離婚があります。協議離婚をする場合、離婚協議書を作成しておく必要性があります。予測できるトラブルを回避するためにも離婚協議書の重要性や注意点などを確認しておきましょう。そこで、本記事では離婚協議書の作成手続きで行政書士が果たす役割とは何かについて解説します。
目次
離婚協議書とは?
離婚協議書とは、協議離婚に際し離婚をする条件を定めた契約書のことです。そもそも、協議離婚とは夫婦が離婚に同意し離婚届を役所へ提出することです。裁判所で調停などをせずに離婚をするポピュラーな方法ですが、夫婦間で「話し合い」をして財産分与などを決めるため後々トラブルがおきやすい一面もあります。そのため、夫婦間で取り決めた約束事を離婚協議書として書面化しておくことで後々のトラブルを防ぐことができます。行政書士は、この協議書の作成を手伝う役割を担っています。協議書には、離婚後の子供の親権や養育費、財産の分配、夫婦間の婚姻費用などが記載されます。
協議離婚の流れ~公正証書の必要性
先述した通り、協議離婚とは夫婦間で話し合いをして離婚の合意をし、離婚届を役所へ提出してなされるものです。大切なことは取り決めを口約束だけではなく正確な内容で離婚協議書として書面化し、きちんと残しておくことです。離婚後に考えが変わったり離婚条件が守られなかったりすることを防ぎます。正式な形式や書式はありませんので、手書きやパソコンで2通作成して署名・捺印してそれぞれが保管しておくものです。しかし、離婚協議書は法的な拘束力や執行力がありません。相手方の不履行があった場合のために、離婚協議書は公正証書としておくことで、裁判の判決と同じ効力が発生します。強制執行認諾条項が入った公正証書を作成することで給与の差し押さえなどもできるようになります。公正証書にする場合は公証役場で公証人によって正式な手順で作成されます。必要書類や原案作成、手続きの流れなど行政書士に一度ご相談することをお勧めします。
行政書士と弁護士どちらに相談するべき?
行政書士と弁護士は、法的な手続きの専門家として、それぞれ異なる役割を担っています。行政書士は、官公署への手続きや申請書の作成、提出手続きの代行、事実証明及び契約書の作成などに特化しています。日常的に利用する身近な法務をサポートすることが多いです。 一方で、弁護士は、法律・訴訟手続きの専門家です。法律的な問題を抱えた際には、弁護士を通じて法律的なアドバイスや相手方との交渉を依頼することができます。 具体的には、紛争性のある法律相談や裁判・訴訟に関する問題は弁護士に、行政手続きや許認可などの申請手続きに関する問題は行政書士に依頼します。離婚協議書を作成するにあたって、タイミングとしては離婚届を提出する前に、親権や養育費、婚姻費用などについて十分な話し合いがなされ、お互いの合意がある場合は行政書士へ依頼することをお勧めします。離婚届を提出する前に、相手方との交渉が必要な場合や争いが生じるような場合は、弁護士を交えて慎重に進めることをお勧めします。行政書士は相手方との交渉権限がありませんので、相手方と合意を形成することが困難な場合は弁護士に相談しましょう。しかし、どうしたらよいのか、今後の方向性で迷った場合、様々な士業とのつながりを持つ身近な行政書士に、まずご相談されることも一つの方法です。手続きや実務の面ではしっかりサポートをいたしますのでお気持ちの面での負担を軽減することにつながります。