行政書士による遺言書作成ガイド:安心の3ステップ
2024/08/03
人生の終わりを考えることは、誰にとっても容易なことではありません。しかし、自分の意思をしっかりと残すためには、遺言書を作成することが非常に重要です。遺言書は、愛する人々に対しての最後のメッセージであり、財産の分配や未来への配慮を伝える手段でもあります。本書では、行政書士の視点から、安心して遺言書を作成するためのステップやポイントを詳しく解説します。これからの人生をより豊かにするためにも、ぜひ積極的に遺言書作成に取り組んでみましょう。
目次
ステップ1 遺産の整理・誰にどのように相続させるか
遺言書を作成する際の最初のステップは、自身の意志を明確にし、遺産について整理することです。まず、ご自分の財産を整理しましょう。不動産(土地や建物)、預金口座、投資商品、保険商品、貴重品などを一覧にします。債務(借金や未払いの請求)についてもリストアップしましょう。次に相続人の調査をし、遺産を「誰に・どのように相続させるか」についても考えましょう。遺留分への配慮も大切です。財産の調査や相続人の調査に不安がある場合は行政書士などの専門家へ相談しましょう。
ステップ2 遺言執行者の選定
遺言執行者の選定をします。これは遺言作成のプロセスのうちとても大切なステップです。遺言執行者とは、遺言書の内容を実行する人のことです。信頼性のある人を選び、事前にその人の同意を得ておくと良いでしょう。遺言執行者は、遺言者の指定または指定されていない場合は家庭裁判所によって選任されます。執行者の仕事は相続人への通知や相続財産の調査、財産目録を作成します。そして遺言の内容を実行するために、遺言書の内容に従って、財産の分配や名義変更手続きを行います。遺言執行者を指定することで、遺産分割が円滑に進むメリットがあります。遺言執行者を誰にするべきか、心配な場合は行政書士などの専門家に依頼することも可能です。
ステップ3 遺言書の作成・保管方法
遺言書の作成方法を決めます。遺言書は代表的なものには自筆証書遺言、公正証書遺言があります。
自筆証書遺言を作成する際には、要件を守る必要があります。遺言書の全文、作成日付、遺言者氏名を自筆で記入し、押印します。財産目録が添付されている場合、全てのページに署名と押印を行います。保管は自宅や法務局へ預けたりすることもできます。メリットは費用がかからずに済むことです。デメリットは法的要件をかく場合無効になってしまったり、紛失や内容の改ざんがされてしまう可能性があります。
公正証書遺言を作成するには、まず公証役場に連絡し、公証人と打ち合わせを行います。次に、必要な証明書類を準備し遺言内容を公証人へ口述し、筆記します。証人2名の立ち会いのもと、遺言者と証人が署名・押印し、公証人も署名・押印します。最後に、公正証書遺言が完成し、正本と謄本が遺言者に渡され原本は公証役場で保管されます。メリットは、公証人により内容が確認されますので、信用性と確実性が保たれます。そして公証役場にて保管がされますので、紛失や改ざんの恐れもありません。デメリットは費用がかかることです。そして、自筆証書遺言も公正証書遺言も一度作成した遺言は一定期間が経過したら見直すことも大切です。遺言書の作成は思い立った時に、まずしておくことが大切です。あとから撤回や修正することも可能ですので行政書士などの専門家へ相談してみることから始めてみましょう。